入谷響(いりや ひびき)プロが、2026年5月のブリヂストンレディスオープンで通算9アンダーの優勝を飾りました。2025年のニチレイレディスでのルーキー初優勝に続く、プロ2年目での2勝目。20歳とは思えない安定したゲームメイクの裏側には、徹底して磨かれた14本のクラブセッティングがあります。
2026年の最大の変更ポイント:パター交換
長年愛用してきたブレード型から、テーラーメイド スパイダーTOUR X(マレット型)へ大転換。この決断がブリヂストンレディスでの優勝を後押ししました。
本記事では、GDO 2026年ブリヂストンレディス取材データをもとに、ドライバーからパター・ボールまで全14本のスペックと、各クラブに込められた戦略的な選択の意図を徹底解説します。
入谷響のクラブセッティング【2026年ブリヂストンレディス】一覧表
下表は、GDO 2026年ブリヂストンレディスオープン取材データに基づく入谷響プロの全14本のクラブセッティング一覧です。
| カテゴリ | 番手/ロフト | ヘッド | シャフト |
|---|---|---|---|
| ドライバー | 8度 | スリクソン ZXi LS ドライバー | 藤倉 24 VENTUS BLUE(S) |
| フェアウェイウッド | 3番 / 13.5度 | スリクソン ZXi フェアウェイウッド | 藤倉 24 VENTUS BLUE(S) |
| ユーティリティ | 2番 / 17度 | スリクソン ZXi ハイブリッドUT | 藤倉 24 VENTUS RED HB(S) |
| ユーティリティ | 3番 / 19度 | スリクソン ZXi ハイブリッドUT | 藤倉 24 VENTUS RED HB(S) |
| アイアン | 5番・6番 | スリクソン ZXi5 アイアン | NSプロ モーダス3 ハイブリッド HL(S) |
| アイアン | 7番 | スリクソン ZXi5 アイアン | NSプロ モーダス3 ツアー105(S) |
| アイアン | 8番〜PW | スリクソン ZXi7 アイアン | NSプロ モーダス3 ツアー105(S) |
| ウェッジ | 48度 | クリーブランド RTZ ウェッジ | NSプロ モーダス3 ツアー105(S) |
| ウェッジ | 52度 | クリーブランド RTZ ウェッジ | NSプロ モーダス3 ツアー105(S) |
| ウェッジ | 58度 | クリーブランド RTZ ウェッジ | NSプロ モーダス3 ツアー105(S) |
| パター | — | テーラーメイド スパイダー TOUR X | — |
| ボール | — | スリクソン Z-STAR XV<2025年> | — |
全体の特徴として、ヘッドはパターを除き住友ゴム工業(ダンロップ)契約のスリクソンで統一されています。シャフトはウッド系が藤倉コンポジットのベンタスシリーズ、アイアン・ウェッジ系がNSプロ モーダス3と、用途ごとに明確に使い分けられている点が特徴です。
ドライバー|スリクソン ZXi LS × ベンタスブルー
入谷響プロのドライバーは、スリクソン ZXi LS ドライバーにロフト8度という低ロフト設定。平均飛距離250ヤードを超えるヘッドスピードを持つ入谷プロにとって、ロースピンで最大飛距離を引き出すZXi LS(Low Spin)モデルは最適な選択です。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| ヘッド | スリクソン ZXi LS ドライバー |
| ロフト | 8度 |
| シャフト | 藤倉コンポジット 24 VENTUS BLUE |
| シャフト重量 | 60g台 |
| 硬さ | S |
| 長さ | 45インチ |
ベンタスブルー(VENTUS BLUE)は、手元〜中間にかけてしなりを感じやすい設計で、タイミングを合わせやすい中調子系シャフト。飛距離を最大化しながらも方向性の安定を両立しています。重さ60g台・硬さS・長さ45インチというスペックは、高いヘッドスピードを持ちながらも丁寧にスイングテンポをコントロールする入谷プロのスタイルに合致しています。
フェアウェイウッド&ユーティリティ|ベンタスブルー+ベンタスレッドの使い分け
ロングゲームのセッティングで注目されるのが、フェアウェイウッドとユーティリティでのシャフト使い分けです。
| クラブ | ヘッド | 番手/ロフト | シャフト | 重量/硬さ |
|---|---|---|---|---|
| フェアウェイウッド | スリクソン ZXi フェアウェイウッド | 3番 / 13.5度 | 藤倉 24 VENTUS BLUE | 60g台 / S |
| ユーティリティ | スリクソン ZXi ハイブリッドUT | 2番 / 17度 | 藤倉 24 VENTUS RED HB | 70g台 / S |
| ユーティリティ | スリクソン ZXi ハイブリッドUT | 3番 / 19度 | 藤倉 24 VENTUS RED HB | 70g台 / S |
3番フェアウェイウッドはドライバーと同じベンタスブルー(60g台)を装着し、ウッド系全体でのスイングリズムの統一感を確保しています。
一方、ユーティリティの2本(2番17度・3番19度)にはベンタスレッド HB(70g台)を採用。VENTUS RED HBはHybrid専用設計で、UTらしいコントロール性能と安定した弾道を両立します。フェアウェイウッドより重めのシャフトを入れることで、UTでの距離感管理を精緻に行える体制を整えています。
アイアン|ZXi5×ZXi7の”2モデル混在”セッティング
入谷響プロのアイアンセッティングで最も特徴的なのが、ZXi5とZXi7の2モデル混在構成です。単一モデルで揃えるのではなく、番手ごとに求める性能を優先した組み合わせが、プロとしての緻密さを示しています。
| 番手 | ヘッドモデル | シャフト | 硬さ |
|---|---|---|---|
| 5番・6番 | スリクソン ZXi5 | NSプロ モーダス3 ハイブリッド HL | S |
| 7番 | スリクソン ZXi5 | NSプロ モーダス3 ツアー105 | S |
| 8番〜PW | スリクソン ZXi7 | NSプロ モーダス3 ツアー105 | S |
5番・6番:ZXi5+モーダス3ハイブリッドHL
ロングアイアンの5番・6番には、ZXi5(飛距離と操作性重視のモデル)に加え、シャフトはカーボン&スチール複合のNSプロ モーダス3 ハイブリッド HLを採用。ロングアイアンの難しさを軽減しつつ、しっかりした重量感で方向性も確保できる設計です。
7番:ZXi5+モーダス3ツアー105(スチールへの切り替え点)
7番アイアンはヘッドをZXi5に保ちつつ、シャフトをモーダス3 ツアー105のスチールに切り替え。ミドルアイアンからスチールシャフトに移行することで、距離感のフィードバックを高め、グリーンを正確に攻めるコントロール性能を重視しています。
8番〜PW:ZXi7+モーダス3ツアー105
ショートアイアンの8番からPWにはZXi7(やさしさ重視モデル)を採用。より大きなキャビティ設計により、ミスヒット時の安定性が向上します。グリーンを直接狙う場面で求められるのは飛距離よりも「止まる精度」。ZXi7はその要求に応えるモデルです。シャフトはツアー105で統一し、7番からの距離感の連続性を保っています。
ウェッジ|クリーブランド RTZ(48・52・58度の3本体制)
ウェッジはクリーブランド RTZで統一し、48度・52度・58度の3本体制。ロフト刻みは6度で、各クラブの距離帯をきれいにカバーしています。
| ロフト | ヘッド | シャフト | 硬さ |
|---|---|---|---|
| 48度 | クリーブランド RTZ ウェッジ | NSプロ モーダス3 ツアー105 | S |
| 52度 | クリーブランド RTZ ウェッジ | NSプロ モーダス3 ツアー105 | S |
| 58度 | クリーブランド RTZ ウェッジ | NSプロ モーダス3 ツアー105 | S |
シャフトはアイアンと同じモーダス3 ツアー105で統一されており、アイアン〜ウェッジ間での重量フロー・フィーリングの連続性が保たれています。クリーブランド RTZはRefined Turf Zone(リファインドターフゾーン)設計により、ターフを取るショットからバンカーまで対応力が高く、日本ツアーを含め多くの女子プロが採用しているモデルです。
パター|スパイダー TOUR X(ブレード型→マレット型への大転換)
2026年シーズンの入谷響プロのセッティングで最も注目されるのが、パターの変更です。
パター変更:最大の注目ポイント
長年使用してきたブレード型から、テーラーメイド スパイダー TOUR X(マレット型)へ変更。2026年4月のバンテリンレディスから使用を開始し、徐々にフィーリングを合わせてきた。
ブレード型パターは、感触のダイレクト感や操作のしやすさから、上級者・ツアープロに長く好まれてきた形状です。一方のスパイダーTOUR Xはマレット型で、ヘッドの慣性モーメント(MOI)が非常に高く、インパクトのわずかなブレに対してもフェースの向きが安定するという特性があります。
入谷プロ自身は「気分転換も兼ねて」とコメントしていますが、変更当初は違和感もあったようです。それでも「だいぶ慣れてハマってきた」という言葉通り、ブリヂストンレディスでの3日間54ホールをしっかり戦い抜き、優勝という最高の結果を出したことがスパイダーTOUR Xとの相性を証明しています。
スパイダーTOUR Xは国内外を問わず多くのトッププロが使用するモデル。パターを変えた直後に結果を出せることは、プロとしての高い適応力の表れといえます。
ボール|スリクソン Z-STAR XV<2025年>
使用ボールはスリクソン Z-STAR XV<2025年>。住友ゴム工業(ダンロップ)との契約選手として、クラブと同様にスリクソンブランドのボールを使用しています。
Z-STAR XVは、スリクソンのツアーボールラインナップの中でも飛距離重視のモデル。高い反発性能を持ちながらも、アプローチでのスピン性能も確保しています。平均飛距離250ヤード超という入谷プロのスイングスピードに対して、ロングゲームでの飛距離最大化とショートゲームでの止まる精度を両立するボールです。
入谷響プロフィール|中嶋常幸門下のプロ2年目20歳
入谷響プロは2005年12月21日生まれの20歳(愛知県豊川市出身)。6歳でゴルフを始め、小学5年生から中嶋常幸プロが主宰する「トミーアカデミー」に入り、基礎から徹底的にゴルフを学んできました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 入谷響(いりや ひびき) |
| 生年月日 | 2005年12月21日(20歳) |
| 出身地 | 愛知県豊川市 |
| 身長 | 160cm |
| 血液型 | B型 |
| 出身校 | 朝日大学(在学中) |
| プロ入会 | 2024年(2度目の受験でプロテスト合格) |
| 師匠 | 中嶋常幸プロ(トミーアカデミー) |
| 契約メーカー | 住友ゴム工業(ダンロップ) |
| 平均飛距離 | 250ヤード超 |
| ツアー通算勝利 | 日本2勝 |
2024年に2度目のプロテスト受験で合格。ルーキーイヤーとなった2025年に「ニチレイレディス」でツアー初優勝を達成し、一躍注目を集めました。そして2026年の「ブリヂストンレディスオープン」では通算9アンダー(207)で優勝、2勝目を挙げています。
ブリヂストンレディスでの優勝により世界ランキングが34ランクアップし、75位以内に入ったことで全米女子オープンの出場権も獲得。「将来はアメリカ女子ツアーの賞金女王」を目標に掲げる20歳の快進撃は、まだ始まったばかりです。
ブリヂストンレディスオープン2026 成績
- 日程: 2026年5月21日〜24日(悪天候で2日目中止・54ホールに短縮)
- 会場: 袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース(千葉県)/ 6732yd / パー72
- 優勝: 入谷響 通算9アンダー(207)
- 2位: 吉田鈴(-8)、3位: 菅楓華(-7)
なお、同大会で3位に入った菅楓華プロのクラブセッティングも注目されています。詳しくは菅楓華のクラブセッティングをご覧ください。
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まとめ|入谷響のセッティングから学べること
入谷響プロの2026年クラブセッティングを振り返ると、20歳のプロ2年目とは思えない「目的に合わせた徹底した最適化」が随所に見られます。
- ドライバー: ZXi LS × ベンタスブルーで飛距離と方向性を両立。初優勝後もシャフトを変更し続ける向上心
- フェアウェイウッド&UT: ベンタスブルー(FW)とベンタスレッドHB(UT)で用途別に最適化
- アイアン: ZXi5(ロング)とZXi7(ショート)の混在で、飛距離×安定性を番手ごとに使い分け
- ウェッジ: RTZ×モーダス3ツアー105でアイアンとのフロー統一
- パター: ブレード型からマレット型への大転換を決断し、変更後わずか数大会で優勝
特に一般ゴルファーへの示唆として大きいのは「パター変更の勇気」です。長年馴染んだブレード型を手放し、慣れない違和感の中でもスパイダーTOUR Xを使い続けて結果を出した。「なかなか変えられない」という心理的ハードルを乗り越えた先に、パフォーマンスの向上があることを体現しています。
また、アイアンの「番手ごとにモデルを使い分ける」という発想も参考になります。アマチュアゴルファーも、ロングアイアンをUT(ユーティリティ)や易しめモデルに替えるだけで、スコアが大きく変わることがあります。
スリクソンブランドで統一したメーカー契約のもと、パターにはテーラーメイドのスパイダーを採用するなど、スペックには常に実用性を最優先にしている入谷響プロ。プロ2年目でさらなる進化を続ける彼女のセッティングは、今後も目が離せません。
他の女子プロのクラブセッティングもあわせてご覧ください。
- 竹田麗央のクラブセッティング2026(スリクソン使用選手として注目)
- 山下美夢有のクラブセッティング2026
- 佐久間朱莉のクラブセッティング2026
- 高橋彩華のクラブセッティング2026
- 菅沼菜々のクラブセッティング2026
- 石川遼のクラブセッティング(男子プロのセッティングも参考に)
- Q入谷響はどこのメーカーと契約していますか?
- A
住友ゴム工業(ダンロップ)と契約しています。クラブはスリクソン、ボールもスリクソン Z-STAR XVを使用しています。
- Q入谷響のドライバーのシャフトは何ですか?
- A
藤倉コンポジットの24 VENTUS BLUE(ベンタスブルー)を使用しています。重さ60g台、硬さSです。
- Q入谷響はなぜパターをマレット型に変えたのですか?
- A
もともとブレード型を愛用していましたが、2026年4月のバンテリンレディスから気分転換も兼ねてテーラーメイドのスパイダーTOUR X(マレット型)に変更しました。本人は「だいぶ慣れてハマってきた」とコメントしています。
- Q入谷響のアイアンはなぜ2モデル混在なのですか?
- A
5番〜7番はスリクソン ZXi5(飛距離と操作性重視)、8番〜PWはスリクソン ZXi7(やさしさ重視)を使用しています。ロングアイアンは飛距離、ショートアイアンは安定感と、番手ごとに求める性能に合わせたセッティングです。
- Q入谷響の試合はどこで見られますか?
- A
JLPGA国内女子ツアーの試合はU-NEXTが独占ライブ配信しています(日本女子オープン・TOTOジャパンクラシックの2大会のみ除外)。


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